「レンタル空手家」の理念


今のあなたのまま、できる空手を。
゛鍛え゛なくても、人は「強い」。


 人間は、ことさらに鍛えて無理に身に着けようとしなくても、もともと持っている「強さ」があります。

ウツで心が沈みがちなら、落ち着いた空手が出来るでしょう。
体力がなく、すぐ休んでしまうなら、技を一つ一つしっかり身につけやすいでしょう。
体が固いなら、力が入りやすいので鋭い技を出せるでしょう。
筋力がなくふにゃふにゃなら、無駄な力を抜いた柔らかい空手ができるでしょう。


 「レンタル空手家」は、そんな人それぞれ、あなたならではの強さを尊重しながら、一緒に稽古していきたいと思っています。




 「うつ」の方が生徒さんにいます。
 週1回の空手をはじめて二ヶ月ほどです。
 彼はミット撃ちやスパーリング(実際に軽く相手に当てる練習方法)といった、実戦系の稽古が好きなのですが、相手と向かい合うと怖がってしまい、めちゃくちゃ気味に手足を振り回します。
 しかし彼は「自分は気が小さくて、よく混乱してしまう癖があります。実際の生活でもテンパることがあるので、落ち着けるようになりたい」と自分を振り返ります。

 「うつ」を持つ彼だからこそ、はじめて2ヶ月であっても、謙虚に自分の足りない所を振り返り、練習で意識することができます。
 ふつう「自分が強い」と思う人ほど、自分の弱い、都合の悪い部分というのは見たくないもので、長所や得意な技だけを伸ばしていきがちです。
 しかし、それでは遅かれ早かれ行き詰まり、自分の弱い部分を見据えなければ上へ行けず、レベルの高い試合でも勝ちあがれません。
 それが出来ず「壁」にぶつかった時にやめてしまう人も多いのです。
 だから、たとえ「うつ」であっても、実は、自己評価の低さはアドバンテージなのです。

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